リズムから刷り込まれる無意識的記憶

何気なく目にしたテレビコマーシャルのCMのBGMが頭にこびりついて離れないことがあります。

 

CM業界の伝説的なBGMとしては文明堂のカステラなど、語呂合わせまでフィットしてしまうと覚える気はなくともその歌詞まで覚えてしまうこともあります。

 

「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂♪」

 

なんの意味も脈略もない歌詞ですが30年ほどたった今でも筆者は時々この歌詞がふと出てくることがあります。実はこのCMのリズム感を目指してトップページで自作音楽の作成に試みた次第ではありますが、皆様への印象はどうでしたでしょうか。

 

最近、YoutubeやCMでお馴染みのピコ太郎さんもこのリズムによる記憶の刷り込みが巧みに使われているように思えます。「ペンパイナッポーアッポーペン」は語呂がいいですね。音楽のリズムにのせると馬鹿っぽくみえる陰に、少しクールさを感じます。

 

このように無意識的に刷り込まれる記憶は潜在記憶と呼ばれます。一方、当の本人が勉強などを通じて意識的に思い出そうとした上で思い起こす記憶は顕在記憶と呼ばれます。

 

日本の学校ではこの顕在記憶の評価ばかりで、潜在記憶を伸ばす教育は皆無に等しいところもあります。こういう音感など視覚以外の記憶領域に訴える教育法もあってもいいのではと思いますね。これは人の創造力にも結び付きます。

 

ただ、潜在記憶は子供の方が吸収力があるので場合によっては先生より優秀な生徒が出現することもあるかもしれません。先生の建前的な都合でこうした学習法を取り入れるのは現実問題難しいのかもしれません。もっとも、日本の将来を考えるとこんな大人の事情など考えている時ではないようにも思えますが。。

 

日本人は世界的にはリズム感が劣る傾向にあるとされております。これは、古来から俳句など語呂がきれいなものがとても好まれており、そのリズムはとても単純で誰でもわかるような常に一定の法則のあるものが好まれていたことが一つの背景にあるとされております。

 

確かにジャズのように拍子の裏へヒットさせるような変則的リズムは音楽としてはとてもクールで筆者も好きなところではありますが、日本のシンプルなリズムは記憶力という観点ではある種の武器にもなるとも思います。その証拠に日本語は区切りが非常にきれいで音としては覚えやすいですね。発音できない英語は多々あっても、発音できない日本語はそうないですよね?

 

三三七拍子、お祭り音頭のように拍子の頭へ合わせる区切りは古くから日本人の魂に根付いているところがあり、心に響くものもあります。これは思い出を長く、多くの人の心に残す上ではとても大切なリズムなのかもしれません。

 

ぜひこうした日本語の語呂のいいリズムを記憶力向上にお役立ていただければと思います。

 

2017年04月29日